[本文はここから]

背中をおしてあげることも大切

角膜移植手術をすれば見えるようになることが解っていても、安全で99%失敗のない手術だと解っていても、時代は角膜をトレピンという刃物のついた機器で切開するのではなく、レーザーの光線で切開をするということが解っていても・・・。「角膜移植手術を受けます」と、口にすることは難しく、そして契約書にサインをすることは、もっと難しい。思わず体が固く重たく、石のように動かなくなってしまったかのような気持ちになります。

それは当たり前のことで、皆さん同じです。IENにご相談に見える方全員が一度は書類を持ち帰り、また連絡をいただき、お話をしてまた考える。初めての説明をさせていただいてから、ほとんどの方が半年、1年と時間をかけて「移植手術を受けますので、よろしくお願いします」と連絡をいただきます。

不思議なことに「移植手術を受けますのでよろしく」と、言われた途端に今度は人が変わったように「早く渡米しましょう」と気ぜわしくなります。多くの患者さんがもうすでに「移植手術を受けたい」という答えは出ているのだけれど、それでもそれからまたじっくりとさまざまなケースをお考えになるのだとお察しします。

わたしたちIENは、患者さまが最後の決断をするまでの時間を大切にしています。きっと病気を治療するということを通じてご自分の人生をお考えになっているのだと思いますし、その時間はご自分の歩みの速度以外のなにものでもありません。ご納得ゆかれるまで悩まれることが最良のことだと思います。

ただ、人は考え始めると「ループ」にはまり、答えに辿りつけないこともあります。そんな時、お母様やお父様など患者さまご本人と病気を見守り続けた方が、ご様子を見られながら、少しだけ背中を押して差し上げることも有意義です。

「えい!」いずれにしても清水の舞台から飛び降りる例えどおり、決断にはわずかばかりの介助が必要な場合もあるようです。
「あの時、お母様が背中を押してくれなかったら・・・・・今でもまだ悩んでいたかな?」

充分にあり得ます。

 

  • 小田切病院 (インターナショナル・アイ・ネットワーク) - 角膜移植・円錐角膜
  • 〒211-0063 神奈川県川崎市中原区小杉町3-253 TEL:044-722-0121 /  FAX:044-722-0123
  • COPYRIGHT © Odagiri Hospital. All Rights Reserved.