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人生を変える角膜移植手術

IENのスタッフの中には、自ら20代に角膜移植の手術を米国で受けた経験を持つ人物がいます。彼は日本国内での角膜移植手術を希望しながらも十数年待たされ、留学先のコロラド州に向かいます。ところが渡米後、数週間そこそこで、現地の医師から角膜移植手術を受けることをすすめられ、自ら決断し、術後視力の回復を自分のものにしました。

大きな決断を迫られ、悩み、不安に耐え、受け入れた時、心は清々しい気持ちで満たされるといいますが、当時を振り返り「手術が終わり、恐る恐る目を開いた時、青い空が青く、爽やかな幸せを感じた」と語っています。また、手術を経て、すでに20年あまりが過ぎた今、彼は相談にお見えになる患者さんに「あの時、人生が変わった」と自らの経験を話しています。この言葉を聞くにつけ、そんな軽々しく使える言葉ではないのに、と思います。

目に疾患があり、視力が思うように出ないということは、大変に辛いことです。それは外見からは病気であることを知ることができず、視力のでないイラツキや不自由さを理解してもらうことが難しいからです。たとえ足元がよく見えずに躓いたとしても「この人、どこが悪いんだろう」と、まず軽くみられてしまい、状態に手を差し伸べてもらうことはなかなか望めません。
米国で角膜移植の手術を受けたIENのスタッフも今でこそ「授業中は黒板の字も見えないし、勉強するにも疲れるし、気分は滅入るし、やがて何もヤル気がなくなってゆく」と、言っていますが、まず、視力が出ないと集中力が欠けてしまいます。それは勉強やその他何事も継続して作業を続けることができないことにつながります。病気のせいで仕方のないことですが、それを原因に外見上、人に不快さを与えてしまうような状態になることも当然のことですが、周囲の人は、その事実を知りませんから、思いやりを持って接することができません。思春期の14歳から18歳にかけては、大変に辛い思いをしている人も少なからずいるのではないでしょうか?

角膜移植手術は、疾患のある角膜をドナーから提供された健康な角膜と取り替える手術です。角膜以外の部分、視力を司る部分には疾患がありませんから、手術直後から視力は回復することができます。その瞬間「見える」ことが、再び人生に飛び込んできます。止まった画像が動き出すかのように、色や形、人の顔なら細かな表情がはっきりと見えるようになります。見える量は感じる量として心に、そして考えることを頭にもたらします。「見える」ようになったのです。もう「見えない」ことを理由にして立ち止まる必要はありません。人生を急速回転で動きはじめる、「人生が変わる」瞬間です。

  • 小田切病院 (インターナショナル・アイ・ネットワーク) - 角膜移植・円錐角膜
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